西表島ウダラ川河口域におけるミナミトビハゼ<i>Periophthalmus argentilineatus</i>による炭素、窒素、リンの同化量について

書誌事項

タイトル別名
  • Assimilation of Carbon, Nitrogen and Phosphorus by Mud-Skipper Periophthalmus argentilineatus in the Iriomote Island Udara River
  • 西表島ウダラ川河口域におけるミナミトビハゼPeriophthalmus argentilineatusによる炭素、窒素、リンの同化量について
  • イリオモテジマ ウダラガワ カコウイキ ニ オケル ミナミトビハゼ Periophthalmus argentilineatus ニ ヨル タンソ 、 チッソ 、 リン ノ ドウカリョウ ニ ツイテ

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抄録

マングローブや干潟に生息する生物の生態や分布に関する研究は多いが、マングローブに生息する生物が周囲の環境に果たす役割についての研究は少ない。そこで、マングローブに生息する生物がどの程度物質収支に寄与しているのかを把握するために、ミナミトビハゼを対象に、その資源量とC、N、P同化量について西表島ウダラ川河口域のマングローブ域で調査を行った。当該水域における2004~2007年までの本種の資源量を調べた結果、年々増加傾向にあることが明らかとなった。このうち稚魚が全体の78~87%を占めており、稚魚が干潟生活に移行する時期に調査が重なったことが示唆された。本種の餌量効率は2.3~6.5%と近縁種であるマハゼと比較すると非常に低い数値となった。ミナミトビハゼによるC、N、P同化量は小さいものであったが、これは本種の生息地が亜熱帯であるために摂取したエネルギーの多くが消費され、同化量が低く抑えられていることに起因していると考えられた。マングローブ林からのC、N、P流入負荷に対するミナミトビハゼの同化比率を算出すると、とりわけN、Pの比率が高い結果となった。このことから調査エリア内に生息するミナミトビハゼは、マングローブ内における物質循環に少なからず寄与しているものと考えられた。

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参考文献 (31)*注記

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