TEMPO酸化セルロースナノファイバーの調製と特性解析

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タイトル別名
  • Preparation and Characterization of TEMPO-Oxidized Cellulose Nanofibers
  • TEMPO サンカ セルロースナノファイバー ノ チョウセイ ト トクセイ カイセキ

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抄録

2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-1-オキシルラジカル(TEMPO)を用いることにより,多糖の1級水酸基を選択的にカルボキシル基に変換できる。このTEMPO触媒酸化反応を木材パルプに適用すると,ミクロフィブリル表面に露出しているC6位の1級水酸基を選択的に酸化でき,カルボキシル基のNa塩が生成する。十分なカルボキシル基量を有するTEMPO酸化木材セルロースを水中で解繊処理することで,約4nmの均一幅で,長さ数ミクロンの凝集せずに)孤立したナノファイバーに変換できる。TEMPO酸化によりミクロフィブリル上に高密度で負電荷が生成するため,水中で荷電反発,浸透圧効果が作用し,高アスペクト比で高結晶性のTEMPO酸化セルロースナノファイバー(TOCN)が得られる。TOCN/水分散液からキャスト成形したフィルムは高い光学透明性,極めて低い酸素透過度と線熱膨張率,高強度等の特性を有する。TOCNは豊富な木質バイオマスから製造可能であり,環境適合型の新規バイオナノ素材として,食品医薬品用の高ガスバリア包装用材料,表示体フィルム,電子部材,ヘルスケア材料等の先端分野への利用が期待される。

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