TEMPO酸化セルロースナノファイバーの調製と特性解析
書誌事項
- タイトル別名
-
- Preparation and Characterization of TEMPO-Oxidized Cellulose Nanofibers
- TEMPO サンカ セルロースナノファイバー ノ チョウセイ ト トクセイ カイセキ
この論文をさがす
抄録
2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-1-オキシルラジカル(TEMPO)を用いることにより,多糖の1級水酸基を選択的にカルボキシル基に変換できる。このTEMPO触媒酸化反応を木材パルプに適用すると,ミクロフィブリル表面に露出しているC6位の1級水酸基を選択的に酸化でき,カルボキシル基のNa塩が生成する。十分なカルボキシル基量を有するTEMPO酸化木材セルロースを水中で解繊処理することで,約4nmの均一幅で,長さ数ミクロンの凝集せずに)孤立したナノファイバーに変換できる。TEMPO酸化によりミクロフィブリル上に高密度で負電荷が生成するため,水中で荷電反発,浸透圧効果が作用し,高アスペクト比で高結晶性のTEMPO酸化セルロースナノファイバー(TOCN)が得られる。TOCN/水分散液からキャスト成形したフィルムは高い光学透明性,極めて低い酸素透過度と線熱膨張率,高強度等の特性を有する。TOCNは豊富な木質バイオマスから製造可能であり,環境適合型の新規バイオナノ素材として,食品医薬品用の高ガスバリア包装用材料,表示体フィルム,電子部材,ヘルスケア材料等の先端分野への利用が期待される。
収録刊行物
-
- 東京大学農学部演習林報告
-
東京大学農学部演習林報告 (126), 1-43, 2012-02
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050564288691557888
-
- NII論文ID
- 120003988590
-
- NII書誌ID
- AN00162451
-
- ISSN
- 03716007
-
- HANDLE
- 2261/51466
-
- NDL書誌ID
- 023579877
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- journal article
-
- データソース種別
-
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles