BCG膀胱内注入療法後に生じた馬蹄腎結核の1例

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タイトル別名
  • RENAL TUBERCULOSIS IN AN ISTHMUS OF A HORSESHOE KIDNEY AFTER BACILLUS CALMETTE-GUERIN THERAPY FOR BLADDER CANCER
  • 症例報告 BCG膀胱内注入療法後に生じた馬蹄腎結核の1例
  • ショウレイ ホウコク BCG ボウコウ ナイ チュウニュウ リョウホウ ゴ ニ ショウジタ バテイジンケッカク ノ 1レイ

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抄録

膀胱癌に対するBCG膀胱内注入療法後の腎結核は稀な合併症である.今回我々はBCG膀胱内注入療法施行後に,馬蹄腎峡部に腎結核を生じた一例を経験したので報告する.症例は63歳男性で肉眼的血尿を機に右尿管口部膀胱癌(high grade, pT1)と診断され,BCG膀胱内注入療法を計8回施行した.術前CTでは前立腺肥大症(推定体積約60 ml)および馬蹄腎が確認されていた.BCG治療後CTにて馬蹄腎峡部に腫瘍性病変,傍大動脈リンパ節腫大を認めた.左右腎盂尿細胞診は左class II,右class IIIであった.悪性腫瘍否定できず,馬蹄腎峡部腫瘍摘除術を施行,病理結果は類上皮肉芽腫であった.BCG膀胱内注入療法後の腎結核は非常に稀であり,病理組織確認例では海外の報告を含め10例目であり,馬蹄腎では本症例が1例目の報告であった.原因としてはVURによる右上部尿路への直接播種の他に,馬蹄腎における尿流停滞による曝露時間延長,前立腺肥大症における膀胱出口部閉塞による排尿時膀胱内圧上昇と,付加要因による可能性が示唆された.

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