急速に増大し,術後に再発を認めた後頚部脂肪芽腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Case Report : A Rapid Growing and Recurrent Cervical Lipoblastoma in a Male Infant
  • 症例報告 急速に増大し,術後に再発を認めた後頚部脂肪芽腫の1例
  • ショウレイ ホウコク キュウソク ニ ゾウダイ シ,ジュツゴ ニ サイハツ オ ミトメタ アト ケイブ シボウ ガ シュ ノ 1レイ

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抄録

症例は6か月の男児.6か月健診で右後頚部に5cm大の可動性良好,弾性硬な腫瘤を指摘された.検査の結果,僧帽筋下に被膜を有する脂肪濃度の腫瘤を認めた.急速に増大したために,生後7か月時に腫瘍摘出術を施行した.腫瘤は僧帽筋下に存在し,周囲組織と強固に癒着していたが,全摘術が可能であった.病理組織学的に脂肪芽腫と診断された.術後11か月後に右後頚部の再発腫瘤に対して切除術を施行した.腫瘤が癒着していた筋組織を含めて拡大切除した.病理組織学的に脂肪芽腫の再発と診断された.再手術後10か月経過するが再発を認めていない.脂肪芽腫は良性腫瘍であり,頚部発生は稀である.また,良性腫瘍にもかかわらず,再発率は6〜25%と高く,急速増大傾向を示すこともあり,しばしば悪性腫瘍との鑑別が問題となる.神経や血管などの周囲組織と癒着することもあるが,部位によっては機能温存を優先し,拡大切除は勧められない.我々は,筋層間脂肪に由来する頚部脂肪芽腫を経験したので文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (17)*注記

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