心不全症状を呈した巨大食道裂孔ヘルニアの1例

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タイトル別名
  • 症例 心不全症状を呈した巨大食道裂孔ヘルニアの1例
  • ショウレイ シンフゼン ショウジョウ オ テイシタ キョダイ ショクドウレツコウ ヘルニア ノ 1レイ
  • シンフゼン ショウジョウ オ テイシタ キョダイ ショクドウ レッコウ ヘルニア ノ 1レイ
  • A case of giant esophageal hiatal hernia oppressing the lung and heart

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抄録

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症例は64歳女性,胸部不快,動悸,咳嗽を伴う喘息様呼吸困難を訴え来院。胸部レントゲンで縦隔内に消化管ガス像の所見および肺野のうっ血所見を認めた。胸部CTでは胃および十二指腸が縦隔内に陥入し,心臓及び肺を圧迫していた。 上部消化管造影では胃角上部から十二指腸球部が縦隔内へ脱出しており,CTの所見と一致した。上部消化管内視鏡検査は食道潰瘍と胃のヘルニア嚢内への陥入を認めた。側弯を合併した巨大食道裂孔ヘルニアで,ヘルニア内に陥入した胃・十二指腸が心臓と肺を圧迫しているための心不全様症状と考えられた。気管支拡張剤や吸入ステロイド剤等の内科的治療に全く反応せず,開腹手術施行した。用手的に胃及び十二指腸を還納,ヘルニア門を閉鎖し,Toupet手術にて後壁噴門形成を施行した。術後狭窄もなく経過良好で,術後より喘鳴等の心不全症状は全く消失した。 側弯症を合併した傍食道型の巨大食道裂孔ヘルニアに胃・十二指腸が陥入し,心臓及び肺を圧迫したため咳嗽や喘鳴を有する心不全症状を呈した1治験例を経験したので報告する。

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参考文献 (14)*注記

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