Gmelina arborea Roxb.とPeronema canescens Jack.の腋芽のカプセル化

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  • Encapsulation of Axillary Buds of Gmelina arborea Roxb. and Peronema canescens Jack.

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抄録

二種の熱帯早生樹,Gmelina arboreaとPeronema canescensの培養中の幼植物体の腋芽部分をカプセル化して人工種子を作成する方法を開発した。植物成長調節物質(0.22mg/l6-benzylaminopurine,0.02mg/lα-naphthylacetic acid,1.00mg/l3-indolebuthylic acid)と異なる濃度のショ糖(3,6,12,24,36%)を含むMS培地に4%(w/v)のアルギン酸ナトリウムを添加したものをカプセル化培地とし,アルギン酸カルシウムで包まれた人工種子を作成した。人工種子をシュートの伸長を期待する5種類の培地上で培養したところ,6週間後には,両種ともカプセル化培地とシュート伸長培地の特定の組み合わせにおいて,シュートの発生と伸長が見られた。G. arboreaでは,MS培地に成長調節物質とショ糖3%を添加した培地でのシュートの発生が良好であった。P. canescensでは成長調節物質のみを添加した培地でのシュートの発生が良好であった。これは,G. arboreaでは成長調節物質は必ずしも必要ではないが,P. canescensではその補給がシュートの発生に必要なことを示している。シュートの伸長は,G. arboreaではカプセル化培地中のショ糖濃度が低い方で,P. canescensでは高い方でそれぞれ良好であった。人工種子を異なる温度と期間で保存したところ,4℃での保存を除いてすべての組み合わせで保存が可能であった。保存した人工種子を25℃で培養したところG. arboreaではシュートの発生が見られた。一方,P. canescensでは外植体は緑色を呈していたが,シュートの発生は見られなかった。

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