長期留置カテーテルを挿入した内臓錯位症候群を呈する維持血液透析患者の1例:右上大静脈欠損,左上大静脈遺残および下大静脈欠損例

書誌事項

タイトル別名
  • Long-term installation of a central venous catheter for dialysis in a patient with heterotaxia syndrome : A case with a persistent left superior vena cava and absent right superior and inferior vena cava
  • 症例報告 長期留置カテーテルを挿入した内臓錯位症候群を呈する維持血液透析患者の1例 : 右上大静脈欠損,左上大静脈遺残および下大静脈欠損例
  • ショウレイ ホウコク チョウキ リュウチ カテーテル オ ソウニュウ シタ ナイゾウサクイ ショウコウグン オ テイスル イジ ケツエキ トウセキ カンジャ ノ 1レイ : ミギウエ ダイ ジョウミャク ケッソン,ヒダリウエ ダイ ジョウミャクイザン オヨビ シタ ダイ ジョウミャク ケッソンレイ

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抄録

症例は72歳,女性.糖尿病を原疾患とした慢性腎不全のため,血液透析導入となる.内シャント閉塞のため両側上腕部に人工血管移植術を実施したものの,スティール症状を頻回にきたしたため,右内頸静脈より透析用長期留置カテーテルの挿入を試みた.この際,右内頸静脈より右心系への流入路が通常と異なるため,右上大静脈欠損が疑われた.血管造影を実施したところ,左上大静脈遺残部分を経由し右房への到達が確認された.CT検査の結果,上記所見に加え,下大静脈欠損,左上大静脈・半奇静脈接合ならびに3個の脾を確認し,多脾症を呈する内臓錯位症候群と診断した.その後,外来通院にて血液透析を継続し,1年後にカテーテル内血栓のために交換後も経過は良好で,現在も維持血液透析を継続中である.カテーテル挿入に携わる医師は,ガイドワイヤーの走行が通常と異なる場合,本疾患の存在を念頭におく必要があり,複数個の脾臓の存在もしくは欠損が本症を疑う手がかりとなる.

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参考文献 (18)*注記

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