劇症1型糖尿病発症時のHbA1cが異常低値であることを契機に異常ヘモグロビン(Hb J-Lome)の合併が判明した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Hemoglobin Variant (Hb J-Lome) Complicated by Abnormally Low HbA1c at the Onset of Fulminant Type 1 Diabetes Mellitus
  • 症例報告 劇症1型糖尿病発症時のHbA1cが異常低値であることを契機に異常ヘモグロビン(Hb J-Lome)の合併が判明した1例
  • ショウレイ ホウコク ゲキショウ 1ガタ トウニョウビョウ ハッショウジ ノ HbA1c ガ イジョウ テイチ デ アル コト オ ケイキ ニ イジョウ ヘモグロビン(Hb J-Lome)ノ ガッペイ ガ ハンメイ シタ 1レイ

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抄録

劇症1型糖尿病は1型糖尿病の新しい亜型であり,非常に急速にほぼ完全な膵β細胞破壊に至る結果生じる糖尿病である.急激に血糖が上昇するのに対して,発症時のHbA1cは正常あるいは軽度高値である.今回,劇症1型糖尿病の発症時のHbA1cの異常低値およびグルコアルブミン(GA)/HbA1c比の著明高値を契機に異常ヘモグロビンの合併が判明した1例を経験した.症例は47歳男性.糖尿病ケトアシドーシスにて発症した時のGAは25.3 %であったが,HbA1cは3.6 %(JDS)と異常低値,GA/HbA1c比が7.0と著明高値であった.異常ヘモグロビンの合併を疑い,解析した結果,グロビン遺伝子のβ鎖59にLys→Asn変異を認め,Hb J-Lomeが同定された.劇症1型糖尿病において発症時のHbA1c異常低値やGA/HbA1c比が著明高値例では異常ヘモグロビンの合併を疑う必要がある.<br>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 55 (8), 627-631, 2012

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (17)*注記

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