騒音・低周波音問題防止の基礎と対応

  • 井上 保雄
    株式会社アイ・エヌ・シー・エンジニアリング 技術本部

書誌事項

タイトル別名
  • Practical Application and Fundamental Principle for Prevention of Noise and Low-Frequency Sound Problem
  • ソウオン ・ テイシュウハオン モンダイ ボウシ ノ キソ ト タイオウ

この論文をさがす

抄録

騒音防止対策の進め方は,従来の対症療法的な対応から,最近は未然防止の対応へと変わりつつあり,機械・工場等の騒音は計画あるいは設計段階で配慮されるようになってきている。ここでは,騒音・低周波音の基礎,対策の目標,基準・指標,調査・対策の進め方,防止技術,配慮事項等について説明する。<BR>騒音あるいは低周波音が望ましくない理由は,<BR>1)人間の聴覚に悪影響を与える(聴力損失)<BR>2)作業の邪魔になる(作業効率低下)<BR>3)睡眠等,生活環境に悪影響を及ぼす(生活妨害)<BR>とされており夫々に対応した規制,基準,あるいは目安が決められている。<BR>調査・対策の進め方については,下記の2つがある。<BR>1)既に問題になっている場合は,現地で調査・診断・測定が可能であるので発生個所の確認,対象地点に及ぼす個々の影響度合いを確認することから始める。<BR>2)未然に防止したい場合は,実際に物が無いのでシミュレーションにより各騒音源の対象地点に及ぼす影響の度合いを知ることから始める。<BR>対策の検討にあたっては,防音性能のみでなく,(1)美観,景観との調和,(2)本来の性能を損なわない,(3)安全性,(4)保守経費,(5)操作性,(6)環境保全,(7)安全性,(8)経済性,を幅広く留意することが大切である。<BR>騒音・低周波音防止技術には,(1)距離減衰,(2)消音器,(3)防音壁,(4)防音カバー,(5)防音ラギング(吸音材で覆う手法),(6)固体伝搬音の防止(機械を防振し加振力が床に伝わりにくくする手法),(7)制振処理(振動源から伝わる振動を吸収する手法)などがある。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 66 (12), 1317-1332, 2012

    紙パルプ技術協会

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ