水質汚濁防止法の改正と地下水汚染の未然防止

  • 三浦 正史
    環境省 水・大気環境局土壌環境課 地下水・地盤環境室

書誌事項

タイトル別名
  • Preventive Countermeasures against Groundwater Pollution by the Revision of the Water Pollution Control Act
  • スイシツ オダク ボウシホウ ノ カイセイ ト チカスイ オセン ノ ミゼン ボウシ

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抄録

平成元年の水質汚濁防止法の改正により,有害物質の地下浸透規制が設けられたが,近年においても,工場・事業場が原因と推定される有害物質による地下水汚染事例が毎年継続的に確認されている。地下水は都市用水の約25%を占める貴重な淡水資源である。しかし,地下水汚染は,原因者の特定が難しく,自然の浄化作用による水質の改善が期待できないことなどから一度汚染すると回復が困難であるため,地下水の水質を効果的に保全していくためには,汚染を未然に防止することが重要である。<BR>工場・事業場からの地下浸透事例の多くが,生産設備・貯蔵設備等の老朽化や生産設備等の使用の際の作業ミスといった,非意図的要因によることが,環境省の汚染事例調査によって明らかとなった。この結果を受け,地下水汚染を未然に防止するための新たな制度が,『水質汚濁防止法の一部を改正する法律』により設けられた(平成24年6月1日より施行)。<BR>具体的には,<BR>(1)有害物質貯蔵指定施設を水濁法の届出対象とするなどの対象施設の拡大<BR>(2)有害物質使用特定施設等に対する構造等に関する基準(構造,設備,使用の方法に関する基準)の遵守義務等の創設<BR>(3)有害物質使用特定施設等に対する定期点検の義務の創設<BR>である。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 66 (12), 1370-1374, 2012

    紙パルプ技術協会

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