先天性副耳下腺頬部皮膚瘻の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Congenital Accessory Parotid Gland Duct Fistula on the Cheek : A Case Report
  • 症例報告 先天性副耳下腺頬部皮膚瘻の1例
  • ショウレイ ホウコク センテンセイ フクジカセン ホオブ ヒフロウ ノ 1レイ

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抄録

頭頸部の先天性皮膚瘻孔の内,頸部や耳の瘻孔はしばしば見られるが,頬部瘻孔は稀である.今回我々は,先天性副耳下腺頬部皮膚瘻の1例を経験し,口腔内への内瘻化により良好な結果が得られたので報告する.症例は1歳男児.生下時より左頬部に瘻孔を認め,透明な液体の流出がみられており,当科を受診した,左頬部中央,左口角から15mmの部位に瘻孔を認めた.瘻孔からの液体流出は食事などの刺激により増加した.また,左耳介前方に3mm大の副耳を3つ認めた.左耳下腺管からの造影では,耳下腺管は正常部位に開口しており,左耳下腺も正常部位に存在していた.瘻孔からの造影では5mm程度の瘻管の先に腺組織が存在していたが,正常な耳下腺・耳下腺管との交通は認められなかった.以上より先天性左副耳下腺頬部皮膚瘻と診断し,内瘻化手術を施行した.術後1年の現在,口腔側に移設した瘻孔は保たれており,同部位より唾液の流出も認められている.

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参考文献 (28)*注記

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