関東地方における稲発酵粗飼料用品種夢あおばの生育特性

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タイトル別名
  • Growth Characteristics of Forage Rice (<i>Oryza sativa</i> L.) Cultivar “Yumeaoba” in Kanto Region
  • カントウ チホウ ニ オケル イネ ハッコウソシリョウ ヨウヒンシュムアオバ ノ セイイク トクセイ

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抄録

稲発酵粗飼料用品種夢あおばを,茨城県と千葉県において2005年から2011年まで多様な条件で栽培し,生育特性を調査した.直播栽培試験は,不耕起播種を含む乾田直播3事例と,過酸化カルシウム粉剤を用いた湛水直播6事例で,4月上旬から6月上旬にかけて播種した.機械移植栽培試験は,ロングマット水耕苗1事例,中苗2事例と稚苗6事例で,4月下旬から6月中旬にかけて移植した.牛糞堆肥の連用圃場など,現地調査は7事例のうち6事例が無化学肥料栽培であり,所内圃場では化成肥料と被覆尿素肥料を併用した.直播栽培における苗立ち率は,5月中旬以降の耕起乾田直播で60%を超え,5月下旬以降の湛水直播ではさらに高かった.出穂期は,4月下旬の稚苗移植区が7月下旬ともっとも早く,6月上旬の耕起乾田直播区が8月下旬ともっとも遅かった.黄熟期の地際刈り乾物重は,窒素施肥量17.8 g m-2の移植区で1686 g m-2に達し,目標とする1500 g m-2を上回るには,稈長が85 cm以上かつ穂数が250本 m-2以上となるような管理技術を要することが示唆された.また,多収区を除くと,黄熟期が遅くなると地際刈り乾物重が小さくなる傾向が認められた.稈長は,もっとも長かった試験区でも96.3 cmで倒伏程度は小さく,収穫作業への支障はなかった.黄熟期の穂数は,移植栽培では窒素施肥量の多い試験区で多く,疎植条件で少なかった.直播栽培では苗立ち数が多い試験区の穂数が多く,90本 m-2以上の苗立ち数を確保する必要性が示唆された.

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