北上山地半自然草地における樹木の当年生実生の動態に及ぼす放牧の影響

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タイトル別名
  • Effect of Cattle Grazing on Dynamics of Tree Seedlings Recruited into Semi-natural Grassland in Kitakami-sanchi Hills and Mountains, Northern Japan
  • ホクジョウ サンチ ハンシゼン クサチ ニ オケル ジュモク ノ トウネンセイ ミショウ ノ ドウタイ ニ オヨボス ホウボク ノ エイキョウ

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抄録

北上山地の高標高地域に位置し,利用休止後,再放牧されたスゲとシバが混在する半自然草地において,樹木の侵入と定着に対する放牧の抑制効果を明らかにするために,樹木の当年生実生の動態を2003-2010年に調査した。実生数の上位3樹種,ダケカンバ,ハウチワカエデおよびイタヤカエデを対象として,当年生実生数,生存率および樹高を放牧区と禁牧区とで比較した。放牧は,草地の立枯れと草本の草高を低くした。その結果,放牧は,ダケカンバの当年生実生数を増加させ,両カエデ種を減少させた。そして,放牧は3種の当年生実生の翌年以降の死亡率を高くし,生存個体の樹高を低くすることが明らかとなった。以上から,北上山地の高標高地域の半自然草地では,放牧は,樹木の個体数増加と生長を抑制し,植生遷移の進行を遅らせると考えられる。

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参考文献 (36)*注記

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