国内の種苗生産機関で利用されている主要なシオミズツボワムシ複合種6株の異なる水温と塩分での日間増殖率

  • 小磯 雅彦
    独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所八重山庁舎
  • 手塚 信弘
    独立行政法人水産総合研究センター日本海区水産研究所能登島庁舎
  • 榮 健次
    独立行政法人水産総合研究センター日本海区水産研究所能登島庁舎

書誌事項

タイトル別名
  • Daily Population Growth Rate of Six <I>Brachionus plicatilis</I> sp. Complex Strains under Different Water Temperatures and Salinities
  • コクナイ ノ シュビョウ セイサン キカン デ リヨウ サレテ イル シュヨウ ナ シオミズツボワムシ フクゴウシュ 6カブ ノ コトナル スイオン ト エンブン デ ノ ヒカン ゾウショクリツ

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抄録

国内の種苗生産機関のワムシ大量培養で利用されている主な SS 型 1 株,S 型 2 株,L 型 3 株の計 6 株を用いて,市販の濃縮淡水クロレラを給餌し,水温範囲が15~30°C,塩分範囲が20~32 psu の条件で日間増殖率を調べた。SS,S 型は,水温15°Cでは負の増殖がみられたが,20°C以上では顕著に高くなり,また,低塩分ほど高増殖率が得られ,水温30°C,塩分20 psu では300%を超えた。一方,L 型は,水温15°Cでも増殖し,SS,S 型と同様に高水温,低塩分の条件で高増殖率が得られたが,最大の日間増殖率は200%以下に留まった。これらの増殖特性は過去の利用株と多くの点で類似していた。水温上昇と塩分低下による日間増殖率の向上効果は全ワムシ株で認められ,特に,水温上昇では L 型より SS,S 型が優れる傾向が示された。本研究での日間増殖率を培養計画の立案や培養状態の診断などに活用することで,今後のワムシ培養の安定性や効率性の向上が期待される。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 61 (1), 001-007, 2013

    日本水産増殖学会

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