あくびの伝染に関する認知的・情動的共感機能の時間的遷移 : 事象関連電位を用いた検討

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タイトル別名
  • "アクビ ノ デンセン"ニ カンスル ニンチテキ ・ ジョウ ドウテキ キョウカン キノウ ノ ジカンテキ センイ : ジショウ カンレン デンイ オ モチイタ ケントウ
  • A temporal dynamics of cognitive and affective empathy in contagious yawing : An ERP study

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抄録

我々は,他者に対して無意識的に同調することがある。無意識的な表情やしぐさの伝染のほかに,あくびはその代表と考えられている。自閉症者はあくびの伝染が少ないことや,内集団より外集団の人のあくびが伝染しにくいことから,これには他者への共感が重要と考えられている。本研究は,他者のあくびの観察時の脳電位活動を記録・解析し,電位の脳内発生源を推定することで,共感の脳活動に関する時間的・空間的遷移を検討した。その結果,あくびを観察すると,まず反応の抑制機能が働き,次に行動の観察と実施に関わる機能,そして最後に情動的な共感に関わる機能が働いていることが,事象関連電位の分析から示唆された.本研究は,あくびを観察するという共感的な行動の同調が誘発される際に,まず認知的な共感が生じ,その後に情動的な共感が生じるという,質的に異なる共感の時間的関係を初めて解明した.

信学技報 IEICE Technical Report HCS2013−7,HIP2013−7(2013−05)

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