ノーマリゼーション原理に関する一考察 : その起源と本質的把握の試み

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of the Principle of Normalization : An Attempt to Grasp the Origin and Essence of Normalization
  • ノーマリゼーション ゲンリ ニ カンスル イチコウサツ : ソノ キゲン ト ホンシツテキ ハアク ノ ココロミ

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抄録

本論文の目的は、障害者福祉政策および、それに連動して障害児教育政策を突き動かしてきた思想であるノーマリゼーション原理の起源とその歴史的展開を明らかにし、ノーマリゼーション原理とは何かを本質的に把握することである。加えて、政治や経済といった社会的要因との関係を踏まえ、ノーマリゼーション原理の日本における動向を分析・考察する。その結果、ノーマリゼーション原理の淵源は、デンマークの知的障害者の親の会の活動にあり、それは、知的障害者のごくあたり前の生活を国に求めたものであった。親の会という運動体と政策主体が協同し、法律を作り上げたことは、歴史的にも極めて画期的な出来事であるといえる。また、知的障害者を対象として発展したノーマリゼーション原理の根底に流れるものは、人としての権利を奪われることへの抵抗であり、排除への闘いであることがわかったといえる。今後は、ノーマリゼーション原理を文字通りの理論としてのみ理解するに留まらず、社会全体として認識の変革をはかり、いかに実践に移していくかに全てがかかっていることを主張した。

収録刊行物

  • 人間文化研究

    人間文化研究 19 63-77, 2013-06-30

    名古屋 : 名古屋市立大学大学院人間文化研究科

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