血清総コレステロール値と要介護認定リスクに関する前向きコホート研究 鶴ヶ谷プロジェクト

  • 星 玲奈
    東北大学大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学分野
  • 遠又 靖丈
    東北大学大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学分野
  • 柿崎 真沙子
    東北大学大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学分野
  • 坪谷 透
    東北大学大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学分野
  • 永井 雅人
    東北大学大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学分野
  • 渡邊 生恵
    東北大学大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学分野
  • 寳澤 篤
    山形大学大学院医学系研究科公衆衛生学講座 東北大学東北メディカル・メガバンク機構個別化予防・疫学分野
  • 辻 一郎
    東北大学大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Serum total cholesterol levels and eligibility for long-term care insurance A prospective cohort study of the Tsurugaya Project
  • ケッセイ ソウ コレステロールチ ト ヨウカイゴニンテイ リスク ニ カンスル マエムキ コホート ケンキュウ : ツルガタニ プロジェクト

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抄録

目的 地域高齢者における血清総コレステロール値と要介護認定リスクとの関連を前向きコホート研究により検討すること。<br/>方法 仙台市宮城野区鶴ヶ谷地区の70歳以上の住民全員(2,925人)に対し,高齢者総合機能評価「寝たきり予防健診」を平成15年に行った。受診者(958人)のうち,研究の同意が得られ要介護認定非該当であった827人を解析対象者とし,平成21年 6 月まで 6 年間追跡した。血清総コレステロール値は 5 分位に分け,第四 5 分位群(212–230 mg/dL)を基準群とし,要介護認定リスクを Cox 比例ハザードモデルによりハザード比(HR)と95%信頼区間(95%CI)を算出した。<br/>結果 6 年間の追跡調査で214人が要介護認定(要支援 1~要介護 5)を受けた。血清総コレステロール低値と要介護認定リスクとの間には有意な負の関連があり,第四 5 分位群(212–230 mg/dL)を基準群として多変量調整した HR(95%CI)は177 mg/dL 未満群(最低 5 分位群)で1.91(1.23–2.98),177–194 mg/dL 群で1.36(0.85–2.18),195–211 mg/dL 群で0.99(0.62–1.56),231 mg/dL 以上群で1.38(0.88–2.17)であった。また,高感度 C 反応蛋白(CRP)が高値の者,がん•肝臓病既往歴ありの者,肝機能指標が基準値外の者を除外した解析でも,血清総コレステロール低値で要介護認定リスクの有意な上昇を認めた。<br/>結論 様々な交絡要因を調整しても,血清総コレステロール低値で有意なリスク上昇を認めた。

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参考文献 (25)*注記

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