乳頭癌の合併を認めた甲状舌管囊胞の13歳男児例

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タイトル別名
  • Thyroglossal Duct Cyst With Papillary Carcinoma in a 13-Year-Old Boy
  • 症例報告 乳頭癌の合併を認めた甲状舌管囊胞の13歳男児例
  • ショウレイ ホウコク ニュウトウガン ノ ガッペイ オ ミトメタ コウジョウ ゼツカンノウホウ ノ 13サイ ダンジレイ

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抄録

甲状舌管囊胞に合併する小児期の癌は稀であり,確立した治療方針も明らかではない.乳頭癌を合併した甲状舌管囊胞の13 歳男児例を経験したので報告する.主訴は下顎部腫瘤.下顎正中に舌骨に接する弾性硬の腫瘤を触知した.超音波検査上,舌骨より正中頤に至り,内部に高エコー部の存在する30×17 mm の囊胞状腫瘤を認めた.甲状舌管囊胞の診断でSistrunk 法により囊胞摘出術を施行した.病理所見上,囊胞壁の乳頭癌と筋層への浸潤を認めた.術後に行なった超音波検査では,甲状腺の病巣やリンパ節転移を認めなかった.浸潤は舌骨に接する筋に限局し,癌は舌骨切除で摘出された可能性を考え,現在厳重なフォローアップ中である.術後経過良好で,2 年4 か月間再発を認めない.超音波上囊胞内に高エコー部のある甲状舌管囊胞においては,癌の存在を考慮し,慎重な診断,治療が必要である.

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参考文献 (34)*注記

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