初回治療肺結核患者の排菌陰性化遅延を予測する入院時栄養因子の検討

  • 武内 海歌
    武庫川女子大学大学院生活環境学研究科食物栄養学専攻 独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター栄養管理室
  • 鞍田 三貴
    武庫川女子大学大学院生活環境学研究科食物栄養学専攻
  • 林 清二
    独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科

書誌事項

タイトル別名
  • NUTRITIONAL ASSESSMENT UPON ADMISSION FOR PREDICTING DELAY IN NEGATIVE BACILLARY CONVERSION AMONG PATIENTS TREATED FOR PULMONARY TUBERCULOSIS
  • ショカイ チリョウ ハイケッカク カンジャ ノ ハイキン インセイカ チエン オ ヨソク スル ニュウインジ エイヨウ インシ ノ ケントウ

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抄録

<p>〔目的〕肺結核(TB)の退院には排菌陰性化が必要条件であり,早期陰性化が治療目標である。排菌陰性化遅延を予測する入院時栄養因子を検討した。〔対象と方法〕2005年4月~2007年3月の2年間に近畿中央胸部疾患センターに入院した初回治療TB患者554名を対象とした。陰性化日数は,小川培地培養陰性が3回連続に得られた場合に,治療開始日から最初の陰性検体採取日までの日数とした。陰性化遅延因子として,年齢,性別,入院時体格(BMI),血清アルブミン値(Alb),C_反応性タンパク質(CRP),HbA1c(NGSP),病院食の摂取率,日本人の食事摂取基準に対するエネルギー摂取率(RDA%エネルギー)とたんぱく質摂取率(RDA%たんぱく質),入院時喀痰塗抹検査,標準治療法中断の有無を使用し,単変量(log-rank test)および多変量解析(重回帰分析)にて陰性化遅延因子を探索した。〔結果〕単変量解析では,男性,入院時BMI18.5kg/m2未満,Alb3.0g/dL以下,CRP0.3 mg/dL以上,HbA1c(NGSP)6.5%以上,RDA%エネルギー87%未満,喀痰塗抹検査2+~3+が陰性化遅延因子として抽出された。重回帰分析では入院時HbA1c(NGSP),CRP,BMIが抽出された。〔結論〕TB患者の入院時栄養アセスメントは入院時HbA1c(NGSP),CRP,BMIを指標として陰性化遅延を予測できる可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 結核

    結核 88 (10), 697-702, 2013

    一般社団法人 日本結核病学会

参考文献 (25)*注記

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