日本原生キイチゴ属植物数種の育種素材としての評価

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タイトル別名
  • Evaluation of Some Wild Species of <i>Rubus</i> Native to Japan as Breeding Materials
  • ニホン ゲンセイ キイチゴゾク ショクブツ スウシュ ノ イクシュ ソザイ ト シテ ノ ヒョウカ
  • Evaluation of Some Wild Species of Rubus Native to Japan as Breeding Materials

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抄録

キイチゴ(Rubus spp.)は,果実中に含有されるフェノール化合物が健康維持に効果的と考えられることから注目されつつある果樹である.我が国にも多くの野生種が自生しているが,栽培されている品種のほとんどは欧米で改良されたものである.本研究では,野生種を園芸的に利用するための基礎的な知見を得るため,九州地方に自生するいくつかの野生種を収集し,育種素材としての評価を行った.栽培種はいずれも二倍体であったが,野生種はゲノムサイズの異なる二倍体と少数の六倍体であった.シマバライチゴを除く野生種の集合果は,栽培種と比較して小さくなかった.野生種の中にはクマイチゴ,カジイチゴおよびナガバモミジイチゴのように栽培種に比べ果実中の糖含量が高く,有機酸含量が低いものがあった.また,クマイチゴ,ナガバモミジイチゴおよびシマバライチゴは栽培種に比べ果実中の総ポリフェノール含量あるいは抗酸化活性が高かった.我が国自生の野生種のいくつかは,栽培し易く,果実品質が優れかつ機能性の高い品種を育成するための育種素材となり得るものと思われた.<br>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 12 (4), 335-342, 2013

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (17)*注記

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