直接試料導入質量分析法による工業製品中ビス(トリブチルスズ)オキシドの分析

  • 片岡 敏行
    一般財団法人化学物質評価研究機構東京事業所環境技術部 横浜国立大学大学院環境情報学府環境リスクマネジメント専攻
  • 益永 茂樹
    横浜国立大学大学院環境情報研究院

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Bis(tributyltin) Oxide in Industrial Products by Mass Spectrometry with Direct Sample Injection
  • チョクセツ シリョウ ドウニュウ シツリョウ ブンセキホウ ニ ヨル コウギョウ セイヒン チュウ ビス(トリブチルスズ)オキシド ノ ブンセキ

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抄録

ビス(トリブチルスズ)オキシド(TBTO)は「化審法」の第一種特定化学物質であり,実質,製造,使用及び輸入が禁止されている化合物である.これまでの分析方法であると,トリブチルスズの誘導体化物として検出されるため,第二種特定化学物質であるトリブチルスズラウラート等のトリブチルスズ(TBT)化合物と識別して分析することができなかった.そのため,TBTOが副生している化合物が上市していても事実上規制することができなかった.そこで,著者らは,イソブタンを反応ガスとした化学イオン化を用いた直接試料導入質量分析法によるTBTO分析法を検討した.内標準としてビス(トリブチルスズ)スルフィド(TBTS)を用いることにより,より安定した定量が可能となった.この分析法を用いて樹脂硬化剤中のTBTOの分析を行った結果,ジブチルスズジメトキシドと水分との反応によりTBTOが容易に生成することが示唆された.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 62 (11), 965-970, 2013

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (12)*注記

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