「一人坊っち」ということ

書誌事項

タイトル別名
  • Being Alone: A Review on <i>Nowaki</i>
  • 「一人坊っち」ということ : 『野分』再考
  • 「 ヒトリボウッチ 」 ト イウ コト : 『 ノワキ 』 サイコウ
  • ――『野分』再考――

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抄録

<p>夏目漱石の『野分』は、これまで、感化を与える白井道也と感化を受ける高柳周作という枠組みで読まれてきた。言い換えれば、〈教育〉という枠組みを採用した読みが支配的だったわけだが、本論では、なぜ『野分』が〈教育〉という枠組みで読まれてしまうのかということを、「作者」を名乗る語り手について分析することで明らかにした。さらに、道也と高柳の孤独の内実を検討することで、『野分』は、従来言われて来たような師弟関係を描いたものではなく、「一人坊っち」としての孤独から逃れようとする高柳の行動が、よりいっそう彼の孤独を際立たせてしまうという、孤独についての逆説を描いた小説であると論じた。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 62 (12), 12-22, 2013-12-10

    日本文学協会

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