巨大乳腺葉状腫瘍の 1 例

  • 中村 友果
    山口大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
  • 一宮 誠
    山口大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
  • 根本 圭
    山口大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
  • 中村 好貴
    山口大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
  • 山口 道也
    山口大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
  • 山田 健介
    山口大学大学院医学系研究科消化器・腫瘍外科学分野
  • 山本 滋
    山口大学大学院医学系研究科消化器・腫瘍外科学分野
  • 岡 正朗
    山口大学大学院医学系研究科消化器・腫瘍外科学分野
  • 武藤 正彦
    山口大学大学院医学系研究科皮膚科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Giant Phyllodes Tumor of the Breast
  • 症例 巨大乳腺葉状腫瘍の1例
  • ショウレイ キョダイ ニュウセン ヨウジョウ シュヨウ ノ 1レイ

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抄録

44 歳,女性。約 10 年前より右乳房に腫瘤を自覚。その後徐々に増大し,表面に潰瘍形成を認めた。当科初診時には,最大径 24 cm ほどの巨大腫瘤となっており,表面に腫瘍が露出し多量の滲出液を伴っていた。造影 CT 上は腫瘍内に不規則な造影効果を認めたが,明らかな転移所見は認めなかった。生検にて葉状腫瘍が疑われ,右乳房腫瘍切除術および遊離分層植皮術を施行した。切除された腫瘤の重量は 3 kg であった。病理組織学的に,葉状腫瘍と診断した。乳腺葉状腫瘍は比較的稀な疾患であり,ときに急速な発育と巨大腫瘤化を認める。主に外科領域からの報告が多いが,皮膚の発赤・壊死・潰瘍形成などの症状を来した場合は初診時に皮膚科を受診することもある。本腫瘍の良性・悪性に関する生物学的性状については意見が分かれるところであり,腫瘍切除術後も再発に注意し慎重な経過観察が必要であると考える。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 75 (6), 514-517, 2013

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (4)*注記

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