非ステロイド系消炎鎮痛剤の光毒性,光感作能及び持続性光線過敏に対する検討

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タイトル別名
  • Experimental Studies on Phototoxicity, Phoallergenicity and Prolonged Photosensitivity Due to Nonsteroidal Anti-Inflammatory Drugs (NSAIDs)
  • ヒステロイドケイ ショウエン チンツウザイ ノ ヒカリ ドクセイ,コウカンサクノウ オヨビ ジゾクセイ コウセン カビン ニ タイスル ケントウ

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抄録

外用非ステロイド系消炎鎮痛薬(以下NSAIDs)は近年,光接触皮膚炎の主要な原因薬剤となっている.特にketoprofenは薬剤との接触を絶った後でも長期間光線過敏症が持続するという特徴があり,交差反応する薬剤の多さも含めて臨床的に問題となっている.今回,安全に使用できるNSAIDsを探す目的で光毒性,光感作能につき動物モデルを用いて検討した.Ketoprofenに関しては,光感作部位における光線過敏性の持続期間も検討した.試験薬剤としてfelbinac, flurbiprofen, ketoprofen,陽性コントロールとして,強度の光感作物質として知られているtetrachlorosalicylanilide(以下TSCA)を用いた.結果:2%TSCA群,40%,5%ketoprofen群では全ての動物(5/5)で光アレルギー感作が成立した.さらにketoprofenは塗布後42日目でも塗布部位のみにUVAによる反応性が持続していた.同部位にUVA照射後反応が見られなくなった時点で他部位に1%ketoprofenを塗布してUVAを照射すると,光アレルギー反応が惹起された.以上よりketoprofenは光感作能が強度で,一旦光感作が成立すると光線過敏が長期間持続することが実験的に明らかになった.一方felbinac群(0/5),flurbiprofen群(0/5)では,感作増強のためにcyclophosphamideで前処置しても光アレルギー感作は成立しなかった.以上よりketoprofenは光感作能の強いNSAIDsであり,処方するに当っては,処方医の患者指導と薬剤師の投薬指導が,光線過敏発症の予防に重要である.一方,felbinac, flurbiprofenは光線過敏をおこしにくいという点では日光露光部位に使用する外用NSAIDs剤として適していると思われる.

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