下大静脈内にair bubbleを認めた気腫性膀胱炎の1例

書誌事項

タイトル別名
  • EMPHYSEMATOUS CYSTITIS WITH AIR BUBBLES IN THE VENA CAVA
  • 症例報告 下大静脈内にair bubbleを認めた気腫性膀胱炎の1例
  • ショウレイ ホウコク シタ ダイ ジョウミャク ナイ ニ air bubble オ ミトメタ キシュセイ ボウコウエン ノ 1レイ

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抄録

症例は糖尿病治療中の76歳女性.高熱と下腹部痛を主訴に当院救急外来を受診された.腹部骨盤CTにて膀胱腔内と膀胱壁内のガス貯留像,および下大静脈内に気泡を認めた.気腫性膀胱炎と診断,膀胱留置カテーテルによるドレナージと抗菌化学療法にて全身状態は改善を認めた.尿培養では大腸菌が同定された.治療後の腹部骨盤CTでは膀胱腔内と膀胱壁内のガス貯留像,および下大静脈内の気泡は消失していた.気腫性尿路感染症の致死率は高く,この一因として気腫性尿路感染症に伴って生じた静脈内の気泡が空気塞栓等を引き起こす原因となり,このことが高い致死率に関与している可能性が示唆される.その機序としては,細菌による膀胱壁の障害や神経因性膀胱等による尿路閉塞に伴う膀胱内圧の上昇によって静脈系へのガス移動が生じることが考えられている.画像的に静脈内の気泡を捉えた気腫性尿路感染症は過去に6例(気腫性膀胱炎3例,気腫性腎盂腎炎3例)の報告があるのみである.気腫性膀胱炎に限っては自験例が4例目の報告であると思われる.

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