機能性結節内に乳頭癌を合併したMarine-Lenhart症候群の1例

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タイトル別名
  • A case of Marine-Lenhart syndrome with papillary carcinoma located in the autonomous hyperfunctioning thyroid nodule
  • 症例報告 機能性結節内に乳頭癌を合併したMarine-Lenhart症候群の1例
  • ショウレイ ホウコク キノウセイ ケッセツ ナイ ニ ニュウトウガン オ ガッペイ シタ Marine-Lenhart ショウコウグン ノ 1レイ

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抄録

Marine-Lenhart症候群に対し手術を施行し,機能性結節内に乳頭癌を合併した非常に稀な症例を経験したので,報告する。症例は62歳,女性。胸苦,動悸を自覚し,紹介医を受診した。甲状腺はびまん性に腫大し,右葉に腫瘤を触知した。血液検査でfT3,fT4の上昇,TSHの抑制,TBII陽性を認め,超音波検査で,右葉に直径約1.5cmの内部に石灰化を有する腫瘤を認めた。99mTc-O4シンチグラムでは,右葉腫瘤に一致した強い集積と左葉に淡い集積がみられた。Marine-Lenhart症候群と診断され,治療目的に当科へ紹介受診となった。右葉腫瘤は悪性疾患の可能性も考えられたため,手術の方針とした。術中,右葉腫瘤のほか,峡部にも白色の小結節を認め,いずれも迅速病理検査でPapillary carcinomaであったため,甲状腺全摘およびD2a郭清を施行した。病理組織所見では,右葉腫瘤は腺腫様甲状腺腫の像を呈し,内部に異型細胞が乳頭状に増殖する直径0.5cmの腫瘤を認めた。Marine-Lenhart症候群に合併した甲状腺乳頭癌,TNM分類でpT1N0M0 stageⅠを最終診断とした。

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