土壌培養試験における堆肥窒素の無機化

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タイトル別名
  • Mineralization of nitrogen in livestock compost on soil incuvation experiment
  • ドジョウ バイヨウ シケン ニ オケル タイヒ チッソ ノ ムキカ

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抄録

灰色低地土を用いたビン培養試験における堆肥窒素は、土壌最大容水量を100%とした場合、5℃・10℃では培養56日までアンモニア態窒素への無機化があったが、硝酸態窒素までの無機化は微量であった。15℃・20℃・30℃培養では、培養7~14日まではアンモニア態窒素のまま推移し、また無機態窒素の減少が認められたことから、窒素の有機化が起こったものと考えられた。堆肥の乾燥方法(105℃乾熱乾燥、風乾乾燥、40℃通風乾燥)別では、風乾乾燥と40℃通風乾燥は、無機化量と無機化率に同一の傾向が認められたが、105℃乾熱乾燥の無機化量は少なく、他の乾燥方法とは異なる傾向を示した。一方、土壌水分を最大容水量の60%とした場合でも、培養温度10℃では、培養28日においてもアンモニア態窒素のまま推移し、硝酸態窒素までの無機化は進まなかった。以上のことから、畑の土壌水分が最大容水量が100%程度になると、湿害による根の障害に加え、地温が高くなるほど、施肥した堆肥の影響により窒素の有機化が進み、また、地温が低い場合には硝酸態までの無機化が進まないため、いずれの場合も、窒素飢餓に陥る可能性が高く注意が必要であると思われた。

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