骨髄増殖性腫瘍の病態と治療

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タイトル別名
  • Pathophysiology and Treatment of Myeloproliferative Neoplasms
  • 医学と医療の最前線 骨髄増殖性腫瘍の病態と治療
  • イガク ト イリョウ ノ サイゼンセン コツズイ ゾウショクセイ シュヨウ ノ ビョウタイ ト チリョウ

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抄録

JAK2チロシンキナーゼ(以下JAK2)はエリスロポエチンやトロンボポエチンなどのサイトカインと受容体との結合によって活性化され,細胞内シグナル伝達に中心的役割を担う重要な分子である.2005年に真性赤血球増加症,本態性血小板血症,原発性骨髄線維症の3疾患に共通してみられるJAK2遺伝子変異が発見されたこれが恒常活性型のJAK2V617F変異である.その後もJAK2 exon12変異やc-MPL変異が次々と発見され,これらの3疾患が腫瘍性であることが再認識されるに至り,2008年に発表されたWHO分類第4版では骨髄増殖性疾患から骨髄増殖性腫瘍に名称が変更された.JAK2阻害薬がすでに開発され,骨髄線維症に対する効果として脾腫の縮小や全身症状・QOLの改善,さらには生存期間の延長や骨髄線維化の改善を認めている.本邦においても現在臨床試験が進行中である.DNAやヒストンの修飾に関与する分子の遺伝子変異も数多く報告され,メチル化阻害薬やヒストンアセチル化阻害薬なども臨床試験が行われ,欧米ではすでにJAK2阻害薬との併用も検討されている.

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