牛白血病ウイルス感染牛におけるリンパ系腫瘍の組織学的検討

  • 萩原 晶代
    埼玉県食肉衛生検査センター
  • 斉藤 守弘
    埼玉県食肉衛生検査センター
  • 石川 義春
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所北海道支所
  • 門田 耕一
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所北海道支所

書誌事項

タイトル別名
  • A Histological Study of Lymphoid Neoplasms in Cattle Infected with Bovine Leukosis Virus
  • ギュウ ハッケツビョウ ウイルス カンセンギュウ ニ オケル リンパケイ シュヨウ ノ ソシキガクテキ ケントウ

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抄録

59頭の牛白血病ウイルス(BLV)感染牛においてリンパ系腫瘍を認め,病理組織学的,免疫組織化学的に調べた.56例はCD20とCD79aが陽性の多形型B細胞性リンパ腫で,細胞学的には多形性と異型性を特徴としていた.そのうちCD5の免疫染色が可能な54例では,すべての症例が陽性を示した.1例では胎子の皮下組織にも多形型のリンパ腫を認め,母牛のリンパ腫からの転移によるものと考えられた.残りの3例は前駆Bリンパ芽球性白血病,リンパ形質細胞様リンパ腫,γδT細胞性リンパ腫と診断され,多形型リンパ腫とは細胞形態と免疫表現型が異なっていた.このような組織型は主にBLV陰性牛でみられ,ウイルスとは関係のない可能性が高い.本研究の結果より,牛のリンパ系腫瘍は組織学的,免疫組織化学的に明確な疾病単位に分類できることが示された.

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参考文献 (11)*注記

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