中晩生カンキツ「せとみ」の長期貯蔵技術

書誌事項

タイトル別名
  • Long-term storage of the medium-late maturing citrus 'Setomi'
  • チュウ バンセイ カンキツ 「 セ ト ミ 」 ノ チョウキ チョゾウ ギジュツ

この論文をさがす

抄録

「せとみ」の長期貯蔵において、MA包装資材の選抜、貯蔵前の予措程度、包装方法および採収時期の早晩が果実の貯蔵性に及ぼす影響を調査し、以下のような結果を得た。1 温度8℃、湿度90%の貯蔵条件下で8月まで貯蔵した場合、ガス透過性がやや大きい微細孔フィルム「F」による個包装は減量歩合や果皮の萎凋を顕著に抑制し、へた落ちの発生も軽減した。なお、果皮の萎凋が認められる減量歩合を10%程度とすれば、無包装では3か月程度の貯蔵が可能であると考えられる。2 予措程度を3%以下にすることで、果皮の萎凋が軽減された。果汁歩合の減少も抑制すると思われる。3 包装方法については、微細孔フィルムの口を2回ひねり、その部分を折り曲げて果実の下に敷く「ひねり」が、シーラーによる密封個包装と同程度の品質保持効果を示した。「ひねり」は複数回使用できることから、包装資材のコスト削減が可能である。4 採収後および貯蔵後の果実品質は、採収時期が遅いほど向上する傾向にあったが、3月上旬採収ではへた落ちの発生が認められるため、MA包装による長期貯蔵の採収適期は2月上~中旬と考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ