発作性の舌運動を呈した認知症高齢者の1症例

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タイトル別名
  • A case of an elderly woman with dementia showing episodic involuntary movement of the tongue
  • ホッサセイ ノ ゼツ ウンドウ オ テイシタ ニンチショウ コウレイシャ ノ 1 ショウレイ

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抄録

症例は93歳女性である.まれと考えられる舌の発作性運動をみとめた.全身けいれん発作重積を契機に救急搬送された.右から左へ水平に偏倚する舌運動をくりかえし,発作中摂食・発話共不能であった.ジアゼパム静注で全身・局所の運動は共に消失した.MRI上,アルツハイマー型認知症に見合う両側側頭葉内側の萎縮をみとめた.脳波では対応するてんかん性放電はみとめなかった.治療にも拘らず発作抑制に難渋し,抗てんかん薬多剤併用下で転院した.発作性の舌運動は,てんかん・脳梗塞・脳腫瘍などで報告され両側性が多い.本症例は片側への運動である点が特異であり,病態は部分発作・口蓋ミオクローヌス/振戦・ジスキネジアなどとの鑑別が困難であった.

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