Nitrofen 誘発先天性横隔膜ヘルニアラットにおける肺の交感神経支配に関する定量形態学的検討

  • 小林 完
    弘前大学大学院医学研究科 小児外科学講座
  • 須貝 道博
    弘前大学大学院医学研究科 小児外科学講座
  • 森 文秋
    弘前大学大学院医学研究科 脳神経病理学講座
  • 若林 孝一
    弘前大学大学院医学研究科 脳神経病理学講座
  • 袴田 健一
    弘前大学大学院医学研究科 小児外科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • A morphometric investigation of pulmonary sympathetic innervation in nitrofen-induced congenital diaphragmatic hernia rats

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抄録

 先天性横隔膜ヘルニア (CDH) において肺低形成は予後に大きく影響を与える.しかし,肺の神経支配異常に関しては不明な点が多い.我々は CDHモデルラットを作成し,肺の交感神経について定量的に検討した.妊娠9日目のラットにオリーブオイルに溶解した nitrofen を投与し妊娠22日目に胎仔を取り出した.対照群にはオリーブオイルのみを投与した.胎仔の肺を摘出し重量を測定した.主気管支レベルの全肺の組織切片を作成し,交感神経のマーカーである tyrosine hydroxylase (TH) に対する抗体を用い免疫染色を行った.全肺面積に対する TH陽性神経線維の面積比率を測定した.CDH患側肺の平均重量は対照群の同側肺に比べ有意に減少していた.CDH患側肺の TH陽性面積の比率は健側肺に比べ有意に低下していた.肺の交感神経支配の減少は CDH における呼吸機能障害に重要な役割を果たす可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 弘前医学

    弘前医学 65 (1), 74-81, 2014

    弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会

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