雲微物理モデルで定量的に考察した準実スケール人工雲実験施設内の気温, 相対湿度, 水の安定同位体比の鉛直分布

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タイトル別名
  • A quantitative consideration of vertical profiles of air temperature, relative humidity, and stable isotope ratios of water within the quasi-real scale Artificial Cloud Experimental System (ACES) by using a cloud microphysical model
  • クモ ビブツリ モデル デ テイリョウテキ ニ コウサツ シタ ジュンミノル スケール ジンコウ ウン ジッケン シセツ ナイ ノ キオン,ソウタイ シツド,ミズ ノ アンテイ ドウイタイヒ ノ エンチョク ブンプ

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抄録

Ⅱ. 詳細雲微物理モデルの開発と応用

長さ500m前後の準実スケールの雲科学実験施設で測定した気温の高度変化から, 雲が発生しないときには乾燥断熱減率で, 雲が発生した時には湿潤断熱減率で気温が下がること, さらに, 雲底直下に厚さ数10mの気温減率遷移層を検出し, 詳細雲微物理モデルを用いた計算と比較することにより, これが最大達成過飽和度高度に対応することを, 世界で初めて実スケール大気中で実証した. さらに, 雲底下と雲内の水の安定同位体比の測定を行った結果, 雲水の安定同位体比が高度と共に減少すること, 雲水のδ18OとδD分布もほぼ傾き8の直線で近似できることを実証した. 一方, 雲内の安定同位体比の鉛直分布を正確に再現するためには, レーリー蒸留モデルではなくエアロゾルの効果を考慮した詳細な雲微物理モデル, および実験室で求められた平衡分別係数とは異なる「雲内分別係数」が必要であることが分かった.

収録刊行物

  • 低温科学

    低温科学 72 87-97, 2014-03-31

    北海道大学低温科学研究所

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