左椎骨動脈分枝異常を認めた甲状腺乳頭癌の1例

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タイトル別名
  • A case report of thyroid papillary carcinoma with the variation of the left vertebral artery
  • 症例報告 左椎骨動脈分枝異常を認めた甲状腺乳頭癌の1例
  • ショウレイ ホウコク ヒダリ ツイコツ ドウミャク ブン シ イジョウ オ ミトメタ コウジョウセン ニュウトウガン ノ 1レイ

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抄録

症例は67歳の女性。3カ月前より前頸部の腫脹を自覚し,近医を受診した。精査にて甲状腺乳頭癌,頸部リンパ節転移が疑われ当院を紹介受診した。左頸部に胡桃大の腫瘤を触知した。術前頸部造影CT検査で甲状腺左葉上極に8mm大の石灰化を伴う結節を認めた。左頸部には35mm大の石灰化を伴う腫大リンパ節を認めた。リンパ節は内頸静脈,斜角筋への浸潤が疑われた。左椎骨動脈は大動脈弓部から直接分岐し,第4頸椎の横突起を通り上行していた。術中,左頸部外側区域転移リンパ節は胡桃大で周囲と強固癒着し,内背側にリンパ節に接する動脈を認めた。術前確認していた走行異常の左椎骨動脈と判断し,慎重に転移リンパ節から剝離することで動脈を損傷することなく頸部リンパ節を郭清しえた。椎骨動脈の走行異常の把握は甲状腺手術時の頸部外側区域リンパ節郭清施行時に,血管損傷のリスクを下げるためには重要である。

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