社会的行動障害を伴った脳出血患者の認知リハビリテーション : 衝動性のコントロールを目指して

書誌事項

タイトル別名
  • Cognitive rehabilitation for cerebral hemorrhage patients with impaired social behavior: aiming for impulse control
  • シャカイテキ コウドウ ショウガイ オ トモナッタ ノウシュッケツ カンジャ ノ ニンチ リハビリテーション : ショウドウセイ ノ コントロール オ メザシテ

この論文をさがす

抄録

社会的行動障害は, 本人の社会生活に大きな影響を与えるにとどまらず, 家族や本人を取り巻く対人関係に深刻な問題を引き起こす障害である。そこで今回, 脳出血を発症し7年を経過したことより, 衝動的に高額な買い物や契約をしてしまうなどの社会的行動障害を認めた中高年男性に対して認知リハビリテーションを実施した。主な認知リハビリテーションの内容は, 1) 注意障害に対するComputer-assisted attention Trainning (CaAT), 2) 遂行機能障害に対する問題解決訓練, 3) 衝動性コントロールのための認知行動療法の3種類を中心に2カ月間実施した。また, これらの認知リハビリテーション終了直後に毎回丁寧な結果のフィードバックを行った。その結果, 高額な買い物や契約をしたいという衝動的な気持ちは生じていたが, これまでとは違い, すぐに行動に移すことが無くなるといった行動抑制ができるようになった。行動抑制ができるようになった理由のひとつは, フィードバックを通して自らの行動を客観的にモニタリングすることができるようになったためと考える。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ