TPO受容体作動薬を使用し抗凝固療法への移行が可能であった下肢深部静脈血栓症合併慢性ITP急性増悪

書誌事項

タイトル別名
  • Thrombopoietin receptor agonists administration for acute exacerbation of chronic idiopathic thrombocytopenic purpura and subsequent anticoagulant therapy for accompanying deep venous thrombosis of the lower limbs
  • 症例報告 TPO受容体作動薬を使用し抗凝固療法への移行が可能であった下肢深部静脈血栓症合併慢性ITP急性増悪
  • ショウレイ ホウコク TPO ジュヨウタイ サドウヤク オ シヨウ シ コウギョウコ リョウホウ エ ノ イコウ ガ カノウ デ アッタ カシ シンブ ジョウミャク ケッセンショウ ガッペイ マンセイ ITP キュウセイ ゾウアク

この論文をさがす

抄録

症例は70歳と49歳の男性で慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の経過中に下肢深部静脈血栓症を合併し急性増悪による出血症状を呈した。いずれもステロイド抵抗性を示し,トロンボポエチン受容体作動薬(eltrombopag, romiplostim)を使用した。当初出血症状があり抗凝固療法は施行不能であったが,血小板造血の回復が得られ,ワーファリンの内服を開始することができた。近年,ITPの易血栓性病態としての側面が注目されつつあるが,血栓症を合併したITP急性増悪の報告はほとんどなく,またITPと血栓症の関連や病態は不明である。我々の2症例ではトロンボポエチン受容体作動薬投与後に幼若血小板数の増加が確認され血小板造血不全の病態が示唆された。トロンボポエチン受容体作動薬による血栓症の明らかな増悪は確認されなかったが,血栓症への影響は不明な点が多く,血栓症をモニタリングしながら抗凝固療法のタイミングを図る必要があると考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 55 (6), 697-702, 2014

    一般社団法人 日本血液学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ