ナシ剪定枝の堆肥化過程における糸状菌相の変化

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タイトル別名
  • Changes in fungal community structure during composting of pear branch prunings
  • ナシ センテイ シ ノ タイヒカ カテイ ニ オケル シジョウキンソウ ノ ヘンカ

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抄録

野外でモデル的に堆肥化したナシ剪定枝を材料に,T-RFLP法を用いてナシ剪定枝チップ及びその堆肥化過程の糸状菌相を調査した。さらに,上記のデータから,ナシ剪定枝分解菌CNCB-L1株の利用法について考察した。1. 積み込み前のナシ剪定枝チップでは,多種の糸状菌が存在し,特定の糸状菌による優占度合いは比較的低かったのに対し,堆肥化過程のそれでは,特定の糸状菌による優占度合いが高まったと考えられた。2. 積み込み後3か月目のナシ剪定枝チップではセルロース分解菌の出現が,積み込み後5か月目のナシ剪定枝チップでは,リグニン分解菌が出現したと考えられた。3. CNCB-L1株と栄養特性の近い白色腐朽菌のナシ剪定枝チップの堆肥化過程における発生消長から,CNCB-L1株をナシ剪定枝チップ又はその堆肥化物に接種し,定着させるには,積み込み後数か月目の時期に接種する必要があることが示唆された。

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