Infliximab が無効であった毛孔性紅色粃糠疹の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • Pityriasis Rubra Pilaris : Failure of Treatment with Infliximab
  • 症例 Infliximabが無効であった毛孔性紅色粃糠疹の1例
  • ショウレイ Infliximab ガ ムコウ デ アッタ ケアナセイ ベニイロヒヌカシン ノ 1レイ

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抄録

45 歳,男性。左頰部に瘙痒を伴う紅斑が出現し,近医で尋常性乾癬との診断でステロイド外用加療されるも難治のため前医を受診した。シクロスポリン,エトレチナート,プレドニゾロン内服などで加療されるも皮疹改善しないため,抗 TNF-α 製剤投与目的で当科を紹介され受診した。当院初診時,体幹四肢に著明な角化性紅色局面,掌蹠に著明な角化を伴う紅斑を認めた。前医からのシクロスポリン,エトレチナートを中止し,infliximab を単独で 3 回投与したが効果は無く,島嶼状に正常皮膚を残して紅皮症化した。肩の紅斑の病理組織像では不全角化と正常角化の交互配列および,棘融解性水疱を認め,臨床経過と病理組織像より毛孔性紅色粃糠疹と診断した。最終的に再度エトレチナート 50 mg/day の内服をしたことで皮疹は軽快した。毛孔性紅色粃糠疹は尋常性乾癬の類縁疾患であることから近年,治療薬として抗 TNF-α 製剤が使用され,中でも infliximab の有効例の報告が散見されるようになった。しかしながら本症例のように,過去の報告において無効例も存在する。効果の有無に関与する要因などはいまだ明らかでなく,今後の症例の蓄積が待たれる。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 76 (4), 349-352, 2014

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (9)*注記

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