肺血栓塞栓症に対し, 外科的血栓除去術を施行し軽快した一例

  • 石川 愛
    群馬大学医学部附属病院麻酔科蘇生科シニアレジデント
  • 戸部 賢
    群馬大学医学部附属病院集中治療部
  • 国元 文生
    群馬大学医学部附属病院集中治療部
  • 齋藤 繁
    群馬大学大学院医学系研究科麻酔神経科学

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pulmonary Embolism which Recovered by Emergency Surgical Embolectomy
  • ハイ ケッセン ソクセンショウ ニ タイシ,ゲカテキ ケッセン ジョキョジュツ オ シコウ シ ケイカイ シタ イチレイ

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抄録

症例は39歳女性. 突然の呼吸困難とめまいを主訴に発症し, 緊急搬送となった. 造影CTで, 肺血栓塞栓症 (PTE : Pulmonary thromboembolism) および深部静脈血栓症 (DVT : Deep vessel thrombosis) と診断した. 血栓症の危険因子として肥満, 高血圧症, 経口避妊薬内服歴があげられた. 入院後循環動態が安定していたため, PTEに対しては抗凝固療法を開始し, DVTに対しては血栓の大きさを考慮し下大静脈フィルターの適応はないと判断された. しかし第3病日の造影CTでの再評価では肺血栓は増大しており心臓超音波検査でも肺高血圧所見を認めたため, 外科的血栓除去術を緊急的に行った. 血栓除去後すぐに心機能は回復せず, 体外循環下にICU帰室したが, その後経過は良好で術後22日に独歩退院した. 呼吸・循環動態の安定している肺血栓塞栓症の基本的治療は抗凝固療法だが, 奏功しない症例においては外科的血栓除去術を考慮すべきである.

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参考文献 (3)*注記

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