超低出生体重児における胎便関連性腸閉塞症の検討

  • 今治 玲助
    地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院
  • 加藤 怜子
    東京大学医学部付属病院小児外科
  • 橋本 晋太朗
    熊本大学医学部付属病院小児外科・移植外科
  • 向井 亘
    地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院
  • 佐伯 勇
    地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院
  • 秋山 卓士
    地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院

書誌事項

タイトル別名
  • Meconium-related Ileus in Extremely Low-Birth Weight Infants
  • チョウテイシュッショウ タイジュウジ ニ オケル タイベン カンレンセイ チョウ ヘイソクショウ ノ ケントウ

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抄録

【目的】胎便関連性腸閉塞症(meconium related ileus,以下MRI)は超低出生体重児(extremely low-birth weight infant,以下ELBWI)における消化管穿孔の重要な原因の1 つであるが,その手術適応,時期についてはコンセンサスの得られたものはない.我々は当科で経験したELBWI におけるMRI 症例について検討したので報告する.<br>【方法】平成18 年5 月~平成25 年4 月までの全ELBWI 症例は154 例であり,MRI と診断された8 例(男児5 例女児3 例5.2%)を対象とした.胎児発育遅延(fetal growth retardation,以下FGR)を8 例中7 例に認めた.在胎週数は中央値28 週4 日,出生体重は中央値649 g であった.経過,発症時期,手術時期,予後,死亡原因について後方視的に検討した.<br>【結果】8 例中3 例は保存的治療により改善した.外科的治療は5 例に行われた.5 例中2 例(40%)が生存し,生存例の手術時日齢は2,3 日,腸管拡張出現から手術までは1,3 日であった.死亡例手術時日齢は3,5,12 日,腸管拡張出現から手術までは2,5,7 日であった.<br>【結論】FGR 症例はMRI を発症しやすいこと,早期の外科的介入により予後が改善する可能性が示唆された.今後はFGR を有する場合,早期よりガストログラフィン胃内注入・注腸を開始し,保存的治療で改善しない場合は72 時間以内の外科的治療を考慮する予定である.

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