養鱒場の水温変動の特徴と降水の影響

書誌事項

タイトル別名
  • Changes in water temperature characteristics influenced by precipitation in trout farms
  • ヨウソンジョウ ノ スイオン ヘンドウ ノ トクチョウ ト コウスイ ノ エイキョウ

この論文をさがす

抄録

静岡県内の4養鱒場7地点において,水温データロガーにより観測した毎正時の水温と気象データを解析し,各地点の水温変動の特徴と水温変動に及ぼす降水量の影響を評価した。水温変動は,水源が湧水の場合は小さく,河川水の場合は大きかった。また,同一の河川では,湧出場所からの距離が遠いほど水温の年平均値が高く,変動も大きい傾向がみられた。さらに,6~9月の急激な水温上昇は台風などによる大雨の日と,11~3月の水温の急降下は低気圧に伴う気温の低下日と一致した。大雨の影響を最も強く受けていた富士宮市淀師地区の養鱒場では,時間降水量あたりの水温上昇幅は0.0848℃/mmであり,大雨警報が発令される時間降水量50mmでは1時間で水温が4.2℃上昇すると推定された。以上のことから,夏季の大雨は水温を急変動させるため,養鱒業者は定時水温の記録を心掛け,天気予報による情報から水温上昇を警戒しておく必要があると考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ