「精神障害(うつ)」と「高次脳機能障害」の脳形態画像・機能画像所見を比較する試み—MRI・SPECTを用いた頭部外傷後の症例における検討—

  • 粳間 剛
    東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
  • 上出 杏里
    東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座 国立成育医療研究センターリハビリテーション科
  • 互 健二
    東京慈恵会医科大学精神医学講座
  • 安保 雅博
    東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Characteristics of Statistical Imaging Analysis in Morphological and Functional Brain Imaging of Neuropsychological Impairments and Nonorganic Mental Disorder after Traumatic Head Injury
  • 「精神障害(うつ)」と「高次脳機能障害」の脳形態画像・機能画像所見を比較する試み : MRI・SPECTを用いた頭部外傷後の症例における検討
  • 「 セイシン ショウガイ(ウツ)」 ト 「 コウジ ノウ キノウ ショウガイ 」 ノ ノウ ケイタイ ガゾウ ・ キノウ ガゾウ ショケン オ ヒカク スル ココロミ : MRI ・ SPECT オ モチイタ トウブ ガイショウ ゴ ノ ショウレイ ニ オケル ケントウ

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抄録

目的:頭部外傷後の器質性の高次脳機能障害と非器質性の精神障害の統計画像解析所見の特徴を明らかにすることを試みる.方法:頭部外傷後の,うつ群6 例,高次脳機能障害群6 例,そして,健常対照群6 例を対象として,全症例にTc-ECD SPECTとMRI 3D volumetryを施行し,結果を統計画像解析した上で,3 群間でStatistical Parametric Mapping(SPM)比較した(2 sample t test, uncorrected p<0.01).結果:対照群と比し,うつ群と高次脳機能障害群で共通して,前部帯状回などの内側前方領域に,有意なTc-ECD低集積と灰白質容積減少を認めた.この所見は,うつ群より高次脳機能障害群に有意に強かった.高次脳機能障害群では,これら機能異常所見と形態異常所見の両者が,より深部の領域に広がったが,うつ群では,機能異常所見のみが背外側領域に向かい広がりを見せた.結論:本研究により,頭部外傷後の高次脳機能障害と非器質性の精神障害の形態・機能画像所見上の新たな特徴が示唆され,今後の研究的・臨床的アプローチ開発の新たな作業仮説が示された.

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参考文献 (17)*注記

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