極薄ヘッド・極細ネック歯ブラシ(クリニカアドバンテージハブラシ®)の最後臼歯への到達性および最後臼歯のプラーク除去効果

  • 金丸 直史
    ライオン株式会社研究開発本部オーラルケア研究所
  • 森口 純
    ライオン株式会社研究開発本部オーラルケア研究所
  • 蜂須賀 良祐
    ライオン株式会社研究開発本部オーラルケア研究所
  • 小林 利彰
    ライオン株式会社研究開発本部オーラルケア研究所
  • 柴崎 顕一郎
    ライオン株式会社研究開発本部オーラルケア研究所
  • 下村 義弘
    千葉大学大学院工学研究科人間生活工学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Accessibility beyond the Last Molar and Ability to Remove Plaque on It of the Markedly Thin-head and Slender-neck Toothbrush (Clinica Advantage®)
  • 極薄ヘッド・極細ネック歯ブラシ(クリニカアドバンテージハブラシ)の最後臼歯への到達性および最後臼歯のプラーク除去効果
  • ゴクウス ヘッド ・ ゴクボソ ネック ハブラシ(クリニカアドバンテージハブラシ)ノ サイゴ キュウシ エ ノ トウタツセイ オヨビ サイゴ キュウシ ノ プラーク ジョキョ コウカ

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抄録

 う蝕や歯周病の予防のためにはプラークコントロールが重要である.プラーク除去を目的としたセルフケアにおいて,ブラッシングは習慣的に実行でき,有効な手段である.最後臼歯は従来の歯ブラシでは清掃が難しくプラークが残存しやすい.プラーク除去には,歯ブラシが届き,毛先がプラークを掻き取ることが必要であると考え,ヘッドを薄くネックを細くした「クリニカアドバンテージハブラシ®」(AD)を開発した.本研究の目的は,極薄ヘッド・極細ネック歯ブラシの最後臼歯への到達性と,最後臼歯のプラーク除去効果を市販の「クリニカハブラシフラットカット®」(FL)と比較し,臨床的に立証することである.<br> 歯ブラシの最後臼歯への到達性は口腔内3次元位置計測システムを用いて計測した(n=18).その結果,歯ブラシ先端部の遠心面への到達度はADが+5.1mm,FLが-1.7mm,頬側面ではADが-0.7mm,FLは-7.3mmであり,いずれもADのほうがFLより有意に奥に届いた(p<0.05).また,最後臼歯のプラーク除去効果も評価した(n=8).その結果,遠心面ではADが25.7%,FLが19.1%,頬側面ではADが43.0%,FLが31.0%であり,いずれもFLよりADのほうが高いプラーク除去効果を示した(p<0.05).ADはヘッドが薄くネックも細いために最後臼歯の奥まで届き,より多くのプラークを掻き取れたと考えられる.<br> 以上より,クリニカアドバンテージハブラシ®は最後臼歯のプラークコントロールに高い効果があることが示唆された.

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