食用きのこ"ナメコ"の低温下貯蔵中における褐変およびカテコラーゼ活性の抑制

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  • Inhibition of browning and catecholase activity of Pholiota microspora under low temperature conditions

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抄録

食用きのこであるナメコ(Pholiota microspora)を収穫後25℃で貯蔵すると,2日目には新鮮重の減少および褐変が認められた.これらの貯蔵中における品質低下には,多くの食用きのこにおいて褐変化の指標であるポリフェノールオキシダーゼ活性が関与していた.本実験において本酵素活性を測定するために,L-チロシン,L-DOPA,カテコールを基質として使用した.その結果,25℃貯蔵ナメコ由来粗酵素は,ジフェノールであるカテコールの酸化反応を顕著に触媒した.一方,5℃貯蔵においてはナメコ新鮮重の減少および褐変はみられず,ポリフェノールオキシダーゼ活性もほとんど認められなかった.これらの結果より,食用きのこの貯蔵中の品質低下とされる褐変には,ジフェノールオキシダーゼ(カテコラーゼ)活性の関与が示唆された.さらに低温による貯蔵が,カテコラーゼ活性および褐変を抑制してナメコの品質保持に有効であることが示唆された.

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