カイコ幼虫の消化液に含まれるアミラーゼとプロテアーゼを用いた新しい教材開発

書誌事項

タイトル別名
  • Development of new teaching materials using amylase and protease in digestive juice collected from larvae of the silkworm, Bombyx mori.
  • カイコ ヨウチュウ ノ ショウカエキ ニ フクマレル アミラーゼ ト プロテアーゼ オ モチイタ アタラシイ キョウザイ カイハツ

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抄録

<p>カイコ5齡幼虫から採取した消化液には,アミラーゼおよびプロテアーゼが含まれている.これらの酵素を用いて,高校生物で学習する遺伝子発現や酵素機能をより深く分子レベルで理解するための新しい実験教材の開発を目的とした.消化液pHは強アルカリ性を示し,その値は11.4であり,消化液に含まれている主要イオンは炎色反応からカリウムであると判断された.消化液のアミラーゼおよびプロテアーゼ活性の最適pHは極めて高く,両酵素とも強アルカリ性酵素であった.また,両酵素について,カイコ3系統間での活性差異を調べた結果,アミラーゼについてぱ大造'が,プロテアーゼについては‘錦秋'ב鐘和'ど小石丸'が高活性を示した.さらに,プロテアーゼについて酵素特性を調べた結果,剛最適反応温度は35℃を越えており, (2)消化液中での酵素力価は0.27~0.54 U/20μL消化液であり,(3)セリンプロテアーゼの活性阻害剤であるAEBSFにより,酵素活性は著しく抑えられた.これら得られた結果とデータベースに登録されているプロテアーゼのCDNA情報を組み合わせて,具体的な授業プログラムを新たに立案し,試行的に実施した.このプログラムの推進により,カイコ中臈細胞内でのプロテアーゼの生合成・分泌過程および消化管内での役割について,よりよく理解できるものと期待される.</p>

収録刊行物

  • 生物教育

    生物教育 55 (1), 2-13, 2014

    一般社団法人 日本生物教育学会

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