骨粗鬆症

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  • コツソショウショウ

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抄録

ロコモ症候群(ロコモティブシンドローム)は、日本整形外科学会が2007年に提唱した「運動器 の障害によって自立度が低下し、要介護の状態や要介護の危険のある状態」である。骨粗鬆症はその 主要な原因疾患の1つであり、骨密度の減少や骨質の劣化によって骨強度が低下するため脆弱性骨折 を起こしやすい。最も頻度が高いのは脊椎の椎体骨折であり、腰背部痛、円背や後彎などの姿勢異常、 身長の低下を呈する。骨折を有する患者の腰背部痛や運動機能の低下は、転倒等による新たな骨折を 引き起こす負の連鎖をきたし、次第にADLは制限されQOLが低下する。骨粗鬆症の治療目的は骨折 の予防にあるが、鍼灸マッサージは、腰背部等の疼痛を軽減して運動機能を改善することでADLや QOLの向上を図るとともに、骨折の連鎖を防ぐことを目的に行う。治療に際しては、患者の腰背部痛 の状態だけでなく、運動機能や転倒・骨折リスク等を包括的に捉えるべきである。現時点では骨粗鬆 症に対する鍼灸マッサージのエビデンスはほとんどない。今後、臨床および基礎研究によって構築す る必要がある。

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