頭蓋底骨髄炎5症例の検討

  • 植木 雄志
    新潟大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 松山 洋
    新潟大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 森田 由香
    新潟大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 高橋 邦行
    新潟大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 山本 裕
    新潟大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 髙橋 姿
    新潟大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Study of Skull Base Osteomyelitis
  • 症例報告 頭蓋底骨髄炎5症例の検討
  • ショウレイ ホウコク ズガイテイ コツズイエン 5 ショウレイ ノ ケントウ

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抄録

頭蓋底骨髄炎は, 高齢糖尿病患者での緑膿菌を起炎菌とした悪性外耳道炎からの炎症波及が典型例とされてきたが, 近年それらの特徴を持たない非典型例も報告されており, その病態は複雑化している. 当科で治療した頭蓋底骨髄炎5症例について検討を行った. 症例は全例男性で, 年齢は平均75.2歳, 4例で糖尿病の合併を認めた. 3例は悪性外耳道炎から生じた典型例で, 2例は側頭骨に異常を認めない非典型例と考えられた. 起炎菌は, 4例で緑膿菌が, 1例でアスペルギルスが検出された. 全例で強力な抗菌薬による治療を行い, 2例を救命したが, 3例は死亡した. わが国では頭蓋底骨髄炎は予後不良な疾患であり, 早期診断と強力な抗菌薬の長期投与が治療成績向上に必須と考えられた.

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参考文献 (13)*注記

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