精巣に発生したprimitive neuroectodermal tumorの1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF PRIMITIVE NEUROECTODERMAL TUMOR OF THE TESTIS
  • 症例報告 精巣に発生したprimitive neuroectodermal tumorの1例
  • ショウレイ ホウコク セイソウ ニ ハッセイ シタ primitive neuroectodermal tumor ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は44歳,男性.4年以上前に右精巣腫大を認め,近医で手術を勧められるも通院を自己中断していた.その後精巣は徐々に腫大,体重減少を認め,数日前からの腹痛,嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した.CTにて右精巣腫瘍・肺転移・多発リンパ節転移および腫大リンパ節による十二指腸圧迫・腸閉塞の診断で入院となった.HCG, HCG-β, AFPは正常範囲内,LDHは2,933 IU/lと高値であった.右高位精巣摘除術を施行,標本は1,300 g, 19.3×10.4×10.9 cm,腫瘍割面は辺縁が黄白色,中心部は出血性壊死と軟骨成分を認めた.病理診断に時間を要したためBEPを開始し,2コース終了したところで最終病理診断が奇形腫から分化した未分化神経外胚葉腫瘍primitive neuroectodermal tumor(PNET)の診断となった.転移巣の縮小を認めていたため,さらに2コース追加したが4コース終了後のCTではPDであった.本人,家族は治療を希望されず,無治療経過観察の方針となった.8カ月後,脱水症状をきたし来院,腹部・縦隔リンパ節転移の増大,腸閉塞を認め入院となった.転移リンパ節に放射線療法を施行し,縮小を認めるも徐々に全身状態は悪化し,永眠された.精巣に発生したPNETは非常に稀な疾患であり,若干の文献的考察を加えて報告する.

収録刊行物

参考文献 (12)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ