エダマメ‘ふくら’と‘湯あがり娘’における生育中の品質関連因子解析に基づく収穫適期の評価

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Optimal Harvesting Time Based on Quality Attributes during Growth in Green Soybeans ‘Hukura’ and ‘Yuagari-musume’
  • エダマメ'フク ラ'ト'ユアガリ ムスメ'ニ オケル セイイク チュウ ノ ヒンシツ カンレン インシ カイセキ ニ モトズク シュウカク テッキ ノ ヒョウカ

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抄録

エダマメは成分変化の激しい生育初期に収穫されるので,良好な品質コントロールのためには最適収穫時期の正確な評価が必須である.本研究では,栽培日数が約85日の中早生種である‘ふくら’と‘湯あがり娘’を用いて莢ごとに開花日を記録し,糖やアミノ酸組成,水分含量,色差,莢の厚さなどの品質要因を幅広い生育期間を通じて精査した.‘ふくら’と‘湯あがり娘’はともに,開花後30日より前では,豆の大きさが小さすぎ(莢の厚さが8 mm以下),見栄えが悪く商品性がなかった.一方,開花後40日を過ぎると,‘ふくら’では急激に,‘湯あがり娘’では徐々に,緑色が退色し,乾燥過程が進行した.エダマメの主要な糖はスクロースであり,少量のフルクトースとマルトースも含まれていた.両品種でフルクトース含量は生育期間を通じて減少し,スクロース含量は開花後35日まで徐々に増加しピークに達した.エダマメに含まれる主要な遊離アミノ酸は酸味を呈するアスパラギンであり,うま味成分であるグルタミン酸と甘味を呈するアラニンも含まれていた.遊離アミノ酸については開花後25~35日でグルタミン酸とアラニンが比較的多く,開花後25日以降にはアスパラギンが一貫して低下した.エダマメの収穫は1樹単位で行われ,両品種とも開花日は約10日間に渡っていた.これらの結果を総合すると,両品種ともに開花後30~40日のエダマメが商品として良好な品質であると評価できる.また,莢の厚さや色指標は,同一生育段階ではばらつきが小さく,開花後日数や品質や成分の変化と密接な関係を示した.つまり,莢の厚さや色指標は生育段階を評価し,未熟または過熟莢を除く簡単な収穫・選別の指標として利用が推奨される.

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 14 (1), 61-67, 2015

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (10)*注記

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