糖尿病性単神経障害(動眼神経麻痺)と鑑別を要した頚動脈海綿静脈洞瘻合併2型糖尿病の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Type 2 Diabetes Mellitus with a Carotid-cavernous Sinus Fistula that Required Differentiation from Diabetic Mononeuropathy (Oculomotor Palsy)
  • 症例報告 糖尿病性単神経障害(動眼神経麻痺)と鑑別を要した頚動脈海綿静脈洞瘻合併2型糖尿病の1例
  • ショウレイ ホウコク トウニョウビョウセイタンシンケイ ショウガイ(ドウガン シンケイ マヒ)ト カンベツ オ ヨウシタ ケイドウミャク カイメン ジョウミャクドウロウガッペイ 2ガタ トウニョウビョウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は66歳男性.1991年に糖尿病を指摘され経口血糖降下剤にて加療.2003年当院紹介受診しインスリン導入され,SU剤との併用療法を行っていた.最近のHbA1cは6~7 %.2011年1月,複視,左眼眼痛,左眼眼瞼下垂,眼球運動障害発症.MRIを用いた眼科,脳神経外科の診察を経て糖尿病単神経障害(左動眼神経麻痺)と診断され,ベラプロストの内服開始.その後3か月の経過で動眼神経麻痺による複視,眼瞼下垂,眼球運動障害は回復した.眼痛のみ持続したためプレガバリン,カルマバゼピンの投与にて対処したが,眼痛は増強傾向であった.症状が増悪傾向であったため,5か月後再評価したところ頭部MRAにて海綿静脈洞の描出を認め,頚動脈海綿静脈洞瘻と診断し,血管内治療が行われ,治療後眼痛の軽減を認めた.本症例は糖尿病性単神経障害と鑑別を要した頚動脈海綿静脈洞瘻合併2型糖尿病の稀な1例である.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 58 (2), 109-114, 2015

    一般社団法人 日本糖尿病学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ